絶望の夜
その時はすぐにやってきた。
暗号通貨(仮想通貨)をはじめて買って3日後のことだった。
2017年5月27日未明。
ふと目が覚めてチャートを確認した。
全ての通貨の価格が下がりはじめていた。
すでにずいぶん下がっている。
最初はなにが起きたのかわからなかった。
え、
だって右肩上がりの相場なんでしょ?
ここ数ヶ月で価格がドンドン上がっててウハウハなんだよね。
ちょっとした調整だよね。
しかし、
淡い期待は厳しい現実に踏み潰された。
時間がたつにつれ価格はドンドン下がり続ける。
なんだこれ、なんだこれ。
どうしたらいいの、おれ。
このままほとんど無価値になるの?お金入れたばっかりだよ?どうする?
こんなタイミングで暴落なんておれはなんて運がないんだ。
向いてない。
もうだめかもしれない。
もうだめだ、、。
売却のボタンに手をかけた。
全部売る。
パニック売りする寸前だった、
なぜだかその瞬間にはらがきまった。
売却しない。
暗号通貨(仮想通貨)投資を開始した直後のこのタイミングにこの大暴落。この経験を、現実を、無力さを、苦しみを心に刻みつけてやる。
このことがあったからいまがあるんだと振り返って語れるようになると心に決めた。
そして
価格が落ちつづけていくのをただ見つめていた。